2025.12.23
2025年のユーロ圏経済は、トランプ関税による輸出・製造業の低迷が続く一方、良好な雇用環境と安定した物価を背景に、個人消費を中心とした回復基調を維持。国別では、スペインやフランスが堅調な一方、米国向け輸出依存度が高いドイツとイタリアは自動車産業を中心に停滞が長期化。先行きは、関税負担が企業の生産活動や設備投資の重石となり、2026年前半にかけて成長ペースが鈍化する見通し。もっとも、ドイツやEUの財政規律緩和によるインフラ投資・防衛支出拡大が下支えとなるほか、年後半以降は関税の影響も一巡することで、再び潜在成長率程度の成長ペースへと回復する見込み。見通しの主なリスクとして、フランス国政や対米・対中関係といった不安定な内外の政治情勢が指摘可能。
ECBは、12月の理事会で4会合連続となる政策金利の据え置きを決定。景気が底堅さを保つなか、ECBは2%の物価目標の達成に自信を深めており、当面は様子見姿勢を維持する公算が大。