2019.01.22

景気が停滞し方向感を失う韓国

このところ日韓関係の悪化が顕著であるが、その根底の一つに、経済情勢の悪化がもたらした文政権の支持率低下があろう。韓国経済の成長率は、半導体分野の投資抑制や住宅投資の減少により2018年7~9月期に前年比2.0%まで減速した。個人消費も文政権の「所得主導政策」に反して伸び悩んでおり、頼みの輸出は主力である半導体分野の落ち込みにより頭打ちの兆しが見られる。今後の景気持ち直しは世界の半導体需要の復調待ちであり、それまでの間、停滞状態が続く可能性が高い。当面、景気が好転し文政権の支持率が回復する姿は想定し難い。

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チーフエコノミスト 武田 淳

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