2020.01.30
政府は1月の月例経済報告で、景気の現状を前月同様「輸出が引き続き弱含むなかで」「緩やかに回復している」としたが、設備投資の判断をやや引き下げ、事実上は景気の見方を若干慎重化した。
主な指標からみれば、個人消費は消費増税後の落ち込みから持ち直しつつあるが道半ばであり、設備投資は機械投資、建設投資とも先行指標が停滞を示唆、輸出は米国向けの自動車を中心に減少が続くなど、消費増税後の日本経済は今のところ停滞から脱していない。2019年10~12月期の成長率は前期比で事前予想を上回る前期比マイナス成長となる可能性が高まっている。
今後については、政府が打ち出した財政支出規模13.2兆円の大型経済対策のうち約4.5兆円が今年度補正予算で具体化されたことに加え、東京五輪開催に伴うマインド改善、米中摩擦の一旦停止を受けた内外企業の活動正常化などから、景気が回復に向かうと期待していた。ところが、中国初の新型肺炎が新たな懸念材料として浮上、再び先行きに暗雲が漂い始めている。