2020.06.29

日本経済情報2020年6月号 改定見通し~経済正常化に向かうも感染第2波懸念が足枷に

2020年4~6月期の日本経済は、緊急事態宣言を受けた個人消費の落ち込み加速や設備投資の慎重化に加え、海外経済の悪化に伴う輸出の大幅減により、前期比年率で2割を超えるマイナス成長となった模様。

足元では、緊急事態宣言の解除もあり、個人消費は物販、サービスとも下げ止まりが確認されている。一方で、設備投資は先行指標が減少傾向を示唆、住宅投資の減少も続き、輸出も世界的なコロナ感染拡大の継続と欧米景気の悪化を背景に、財・サービスとも大幅に減少している。

それでも、今後は国内における行動制限の段階的な緩和を受けて個人消費が持ち直し、景気は徐々に回復に向かう見込み。ただ、感染再拡大の懸念が強まりつつあり、個人消費回復の足枷となり得ること、欧米を中心に海外景気すなわち輸出の回復には時間がかかることから、日本経済の拡大ペースは抑えられ、2020年度の成長率は4%を超えるマイナスとなる見通し。

執筆者紹介

チーフエコノミスト 武田 淳

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