2022.02.18

日本の所得格差は2017年以降拡大 女性の正社員化が進むも、未だ不十分

家計調査の所得階級別収入データを用いて所得格差を分析すると、2017年以降は格差が拡大している。その直接的な原因は、高所得者世帯ほど配偶者所得が増加しているためであるが、さらに背景を探れば、女性の正社員化が進んだ結果、女性の間で所得格差が拡大したことを反映したものだと考えられる。20代後半から40代前半の女性は、家事や育児との両立のため、やむを得ず非正規社員として働くケースが多い。新型コロナウィルスの感染拡大を契機に、リモートワークが急速に進み、多様な勤務形態が浸透しつつあるなかで、働きやすい環境が整えば、こうした女性の正社員化が進み、幅広い層で女性の所得が増加、女性間の所得格差が縮小し、世帯間の所得格差の縮小にもつながろう。

執筆者紹介