2024.06.25
2024年1~3月期GDP2次速報値は前期比年率▲1.8%。2四半期ぶりのマイナス成長は1次速報から変わらず、景気は足踏み状態。個人消費や輸出が減少、設備投資も小幅減。
4月以降も、景気ウオッチャー調査は5月にかけて家計動向関連が物価上昇の影響で小売、飲食、サービスとも悪化。帝国データバンクの景気動向調査も不動産やサービス、小売を中心に2ヵ月連続の悪化。特に小規模企業で悪化が目立った。ただ、小売販売は5月に総じて改善しており、マインド悪化の先行という面も。
景況感の悪化をもたらした物価上昇は、5月についてはエネルギーに関する政策的な部分が大きく、7月まで続く見込み。8月以降は人件費上昇によるサービス価格の上昇加速が見込まれるものの、価格転嫁一巡の影響が勝り、消費者物価上昇率は2%程度に落ち着く見込み。
加えて、今後は春闘を反映し賃金上昇が加速、実質賃金は上昇に転じ、個人消費は4~6月期から回復に向かおう。設備投資も、先行指標の機械受注が底堅く推移しており、企業の増益基調にも後押しされ拡大基調となろう。輸出はインバウンド需要の拡大が続き、財も2024年終盤以降は欧米景気の復調により増加傾向を取り戻すと予想する。
その結果、実質GDP成長率は、足元2024年4~6月期に個人消費や設備投資の復調で前期比プラスに転じ、7~9月期以降もプラス成長を維持、2024年度通年の成長率は潜在成長率を上回る前年比+1.2%と予想する。今年の夏頃には経済正常化の確度が高まったと政府が判断できる状況に至り、日銀は9月に利上げを開始しよう。