2023.04.03

日銀短観3月調査: 景況感は非製造業で一段と改善、人手不足は極まり、賃金上昇と設備投資拡大により内需を後押し

3月調査の日銀短観では、注目される大企業製造業の景況感がさらに悪化したが、大企業非製造業では一段と改善、景気は「やや良好」な状況が続いた。2023年度の業績見通しはコスト増の価格転嫁が十分に進まず増収減益の見通し、裏を返せば価格転嫁の動きが長期化する可能性。設備投資計画は、2022年度分の先送りにより2023年度は特に非製造業で高い伸び。背景には、設備不足と人手不足。深刻な人手不足は、賃金上昇による個人消費押し上げのほか、設備投資拡大という経路も通じて、内需主導の景気回復を後押しよう。

執筆者紹介

チーフエコノミスト 武田 淳

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