2023.05.19

日本経済:全国消費者物価(2023年4月) インフレ圧力が高まり、コアコアは41年ぶりに4%台へ

4月の全国消費者物価は、生鮮食品を除く総合(コア)は前年同月比+3.4%、生鮮食品とエネルギーを除く総合(コアコア)は+4.1%に加速し、企業の積極的な価格転嫁姿勢が改めて確認された。4月は価格改定期でもあり、食料工業製品で値上げの勢いが強く、リベンジ消費の拡大を受けて宿泊料でも伸びが拡大した。また、基調的な物価を表す指標の一つである「最頻値」は、3月に+2.7%と1985年以来初めて2%後半に達し、物価の上昇基調の高まりが改めて示された。一方、品目のウエイトを加味した「加重中央値」は「最頻値」に比べて低い上昇率となっている。これは、ウエイトの大きい電気ガス代などのエネルギー価格の低下を受けたもので、主に政策要因によるものである。ただし、6月には電気代の値上げが予定されていることから、「加重中央値」は再び上昇する可能性が考えられる。

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