2023.08.21

中国経済:停滞続き追加利下げに踏み切るも、効果は期待薄

7月の主要経済指標は、景気の停滞が続いていることを示す。停滞の主因は、①輸出の減少、②不動産市場の低迷、③個人消費の回復力欠如、④過剰債務問題であり、いずれも根が深く早期解消は困難。政府は今年下期の経済政策の具体化を進めるが、目新しさ乏しく財政支出拡大には消極的。民間経済の活性化や消費者の不安解消策を盛り込むも、これまでの実績を踏まえると実効性は未知数、具体策の内容や効果を見守るしかない状況。追加利下げを実施したが、依然として実質金利は高く、金融緩和効果を得るためにはさらなる利下げが必要。

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チーフエコノミスト 武田 淳

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