2024.11.29

中国経済:景気は一時改善も、米中対立で先行き不透明感高まる(改定見通し)

2024年10月の主要指標は景気底入れを示すも、一時的な改善にとどまる見込み。中国政府は11月上旬、今後5年で10兆元の地方政府の隠れ債務を地方政府債務に置き換える政策を発表も、景気押し上げ効果は限定的。2024年の成長率は前年比+4.8%と「+5%前後」の成長目標の下限にとどまる見通し。2025年は不動産市場の調整が続く上、トランプ新政権の対中関税引き上げによる輸出下押しが見込まれ、+4.2%と減速する見通し。中国も対米追加関税で対抗、景気失速回避のため他国への輸出増やインフラ・製造業投資強化を図るとみられる。トランプ政権の対中政策に左右され、先行き不透明性の高い状況が続く。

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主任研究員 玉井 芳野

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