2025.09.29
4~6月期の実質GDP2次速報で成長率は前期比年率+2%超へ上方修正され、景気の底堅い拡大を確認。個人消費や民間在庫投資の上方修正が主因。7月以降も景況感は改善傾向にあり、8月の景気ウオッチャー調査では飲食やサービスを中心に個人消費関連分野で大きく改善。
一方、対米輸出はトランプ関税の影響で8月に大幅に減少。ただ、主因は機械分野を中心とする駆け込み輸出の反動と自動車の関税引き下げを睨んだ輸出先送り。未だ相互関税引き上げの影響は確認し切れない部分はあるが、輸出は早ければ10月にも持ち直しに転じる可能性。
トランプ関税はまた、製造業の業績を下押しし始めているが、非製造業の業績は円高・資源安によるコスト減や価格転嫁により底堅く推移しており、製造業の悪化を吸収。消費の逆風だった物価上昇はピークアウト。賃金上昇率は実質では未だマイナスながら、労働市場のひっ迫が賃金上昇圧力を高めており、物価上昇の鈍化を受けて年内にもプラスに転じ、個人消費の回復を後押しする見込み。
7~9月期の成長率は輸出の落ち込みにより前期比ゼロ前後、10~12月期も設備投資の様子見により高まり難く、景気は当面、停滞気味に推移するが、2026年に入るとトランプ関税の影響一巡により回復に向かおう。この間、需給ギャップは需要超過状態を維持し、デフレに後戻りするリスクは小さいとみられる。日銀は10月にも利上げを再開しよう。2025年度の実質GDP成長率は前年比+1.0%、2026年度も1%程度を維持、2027年度も潜在成長率程度の安定成長継続を予想。