2026.03.27
昨年10~12月の実質GDP成長率は前期比+0.3%(年率+1.3%)へ上方修正され、潜在成長率を上回る堅調な拡大だったことを確認。個人消費や設備投資といった内需が底堅く推移した。年明け以降も、2月までは景気ウオッチャー調査などが個人消費の拡大持続を示唆。政府の物価高対策による消費者物価の上昇鈍化が追い風となった模様。
しかしながら、3月以降は中東情勢の悪化を受けて原油価格が高騰。このまま高止まりすれば、消費者物価は0.5%以上押し上げられる。一方で、来年度の春闘賃上げ率は、連合の第1回集計(5.26%)より低下するとしても、3年連続で5%以上となる可能性が高い。中東での戦闘が早期終息し、夏頃までに原油供給が正常化すれば、政府の補助金の効果もあって影響は限定的となろう。一方で、戦闘が長期化し、政府の補助金も打ち切られれば、景気の停滞・後退が視野に入る。
不確実性は中東情勢だけでなく、相互関税などが違憲となったトランプ関税も依然として先行き不透明。トランプ政権は新たに一律10%の関税を導入したが、期限は150日であり、期限後に向けて別の新たな関税を検討中。最終的な関税が、廃止された相互関税に比べ著しく高くなることはないとしても、確定するまで不確実性を高めることは間違いない。
これらの不確実性は設備投資を下押しする可能性も。ストック循環図から判断すると、足元の設備投資の堅調拡大は1.3%程度の経済成長に見合ったものであり、昨年1月時点の期待成長率とは概ね整合的であった。しかしながら、今年1月時点では期待成長率が1%程度へ低下しており、不確実性と相まってストック調整圧力が高まる恐れ。3月調査の日銀短観で設備判断DIに注目。
3月22~23日の金融政策決定会合では、原油価格の上昇による下振れリスクを考慮して政策金利が据え置かれたが、次回4月利上げの可能性は否定されず。ただ、スタグフレーション・リスクについては判断を留保。日銀短観では景況感だけでなく、利上げを迫る要因となり得るインフレ期待の動向にも注目したい。