2026.10.23

米国経済:エネルギー高のインフレ影響(BBモデルによる検証)

2026年第3四半期のCPI前年比に対するエネルギー高の押し上げ効果は+1.55%ptと推計され、このうち中間投入コスト転嫁などの二次的影響が+0.54%pt(全体の約35%)を占める。もっとも、この推計に用いたバーナンキ=ブランシャールモデル(BBモデル)による分析では、賃金・期待インフレの相互増幅を通じた寄与は+0.02%ptと限定的であり、新たなショックが発生しない限り、2027年末にはエネルギー高による影響全体が約+0.13%ptまで大幅に減衰する見通しである。したがって、エネルギー高単独では追加利上げの根拠となりにくいものの、足元ではAI関連投資や消費の底堅さなどの堅調な需要がコアインフレの低下を阻害している。FRBは需要抑制と期待インフレの安定を目的に、先行き追加利上げに踏み切ることが考えられる。ただし、先行して進んだ実質長期金利の上昇が遅行して実体経済を下押しするリスクも併存しており、2027年後半以降の政策運営に向けては、需要の強さと引き締めの累積的効果の双方に十分な留意が必要である。

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上席主任研究員 髙橋 尚太郎

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