2020.03.25

マレーシア経済:新型コロナウイルスで急減速後、外需主導で復調へ

2019年のマレーシア経済は、米中貿易摩擦を背景に輸出が減速したことに加え、固定資産投資の回復力が弱く、全体として減速を続けた。今後も、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、外国人観光客の大幅減と財輸出の急減速、国内の活動制限令に伴う個人消費の落ち込みを主因に、景気は大きく悪化することが見込まれる。一方で、マハティール前首相退陣という政治の混乱がある中でも、経済対策が継続的に打ち出されてきたことには安心感がある。先行きは、中国での生産活動が正常化するタイミングで、主要輸出品目である電子部品の輸出がITサイクル改善という追い風も受けながら持ち直すなど、外需にけん引される形で2020年後半頃からは景気が持ち直しに向かうと予想する。

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上席主任研究員 髙橋 尚太郎

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