2026.06.12
AIによる生産性向上は現状では一部業種に限られており、短期的なインフレ抑制のドライバとして扱うには不確実性が高い。足元の単位労働コストの鈍化も、AI効果というより労働需給の緩和による賃金上昇の鈍化が主因である。一方で、AIブームに伴うデータセンター投資の拡大は、メモリチップなどの価格高騰を招き、短期的には一定のインフレ圧力として作用している。金融政策の面では、FRB内でもAIの物価への影響について見方が分かれており、成長力向上に伴う中立金利の上昇の可能性も指摘されている。FRBはAIの影響を決め打ちして政策を進める可能性は低い。当面は、足元の地政学リスクなど他のインフレ上振れリスクも注視しつつ、実際の経済データに基づいた慎重な政策運営を進める状況が続くと予想される。