2020.11.27

日本経済情報2020年11月号 改定見通し~コロナ第3波で一時停滞が不可避の情勢

11月に入り新型コロナウィルスの感染が急拡大しており、これを受けて政府はGoToキャンペーンの一部縮小を決め、一部自治体は飲食店の営業時間短縮を要請。消費者の自主的な自粛の動きも見込まれ、個人消費の持ち直しにブレーキが掛かる兆し。

日本経済は、7~9月期の成長率が個人消費や輸出の持ち直しにより前期比で大幅プラスとなり、10月の経済指標も同様の動きが継続していることを示したが、今後は、コロナ感染第3波や欧米景気の一時減速により、景気の一時停滞が不可避の情勢になりつつある。

その結果、2020年度の実質GDP成長率は前年比▲5.9%の大幅マイナスとなる見込み。ただ、コロナ第3波がピークアウトすれば、個人消費は持ち直しを再開、輸出も増勢を取り戻し、調整が続いていた設備投資も底入れを期待できる。東京五輪開催の可能性も高まり、インバウンド需要の回復も見込まれるため、2021年度の日本経済は緩やかな拡大基調を維持し、成長率は前年の反動もあり前年比+4.8%まで高まると予想する。

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チーフエコノミスト 武田 淳

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