2021.01.28
政府は1月の月例経済報告で景気の現状判断を据え置いたが、個人消費や企業景況感を下方修正しており、事実上は悪化と評価。実際に景気ウオッチャー調査では、家計関連分野を中心に景況感は悪化している。
個人消費は、昨年11月下旬からのコロナ感染再拡大により、年末にかけて幅広く悪化。設備投資は先行指標の機械受注が底入れし下げ止まりの兆しが見られるが、住宅投資は着工戸数が依然として軟調に推移しており調整が続いている模様。
そうした中で、輸出は、回復が先行した中国・米国向けの拡大が続き、遅れていたEU向けも増勢が加速するなど、堅調さを維持したが、海外景気はコロナ感染再拡大により欧米を中心に悪化しつつあるため、増勢は早晩一服しよう。
さらに、新年早々の緊急事態宣言再発令を受けて人の移動は明確に減っており、個人消費が一層冷え込んでいることは間違いない。ただ、政府の大規模景気対策が具体化され景気を下支えするため、日本経済は底割れには至らず、しばらく停滞が続く見込み。