2021.03.31

日本経済情報2021年3月号 コロナ感染収まらず持ち直しペース鈍化(改定経済見通し)

3月21日に緊急事態宣言が完全に解除されたが、先行して宣言が解除された地域での営業時間などへの制限緩和は段階的に進められたため、完全解除までの人手の回復は限定的であった。

そのため、企業活動の持ち直しはコロナの影響の大小によって業界間の差が大きく、影響を強く受ける消費関連分野で低迷ぶりが際立っている。一方、輸出はコロナ感染再拡大で景気が停滞する欧米向けが落ち込むもアジア向けは好調、その恩恵もあり製造業の景況感は良好、設備投資には底入れの兆しが見られる。

今後の日本経済は、緊急事態宣言の解除後もコロナ感染は収まらず消費活動への制限緩和が進まないこと、東京五輪の海外客受け入れ見送りによりインバウンド需要の回復が遅れることから、これまでの予想より持ち直しのペースが鈍化する見通し。

執筆者紹介

チーフエコノミスト 武田 淳

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