2021.05.26

欧州経済:コロナ第3波縮小で改めて持ち直しへ(改定見通し)

欧州では、各国でワクチン接種が進み、コロナ感染の第3波が縮小。英国のみならず、ユーロ圏主要国でも5月に入って行動制限緩和の動きが相次いでいる。今後の欧州経済は、このままコロナショックが収束していくことが前提になるが、ユーロ圏・英国ともに持ち直していく見通し。ただし、①訪欧者数の回復には時間を要する、②ユーロ高や英ポンド高が輸出の回復力を抑える、③英国ではEU完全離脱の影響が続くなど、成長抑制要因もいくつか挙げられる。また、需要の回復ペースに対し、供給体制の復元(特に人手)が追い付くかどうかにも疑念が残る。結果として、GDPがコロナ前の水準を取り戻すには、ユーロ圏で来年4~6月期、英国で来年10~12月期まで待つ必要があろう。こうした中、EUではこのところ、対米関係を協調路線に戻す一方、対中関係の拡大・深化にブレーキをかける動きが相次いでいる。

執筆者紹介

上席主任研究員 石川 誠

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副主任研究員 岩坂 英美

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