2024.05.29

欧州経済:景気は底入れ、年後半は成長ペース加速へ(改定見通し)

2024年1~3月期の実質GDP成長率はユーロ圏、英国ともに3四半期ぶりのプラス成長となり、景気は底入れした。ただし、イースター時期のずれ(例年4月のところ、2024年は3月)による消費の増加など、一時要因も成長率を押し上げた模様である。その反動から4~6月期は成長ペースが減速する見込みも、年後半はインフレ率の低下や賃上げを受けた実質可処分所得の増加により、個人消費主導で再びペースが加速する見通しである。インフレ率はユーロ圏、英国ともに4月にかけて低下基調にある中、ECBは賃金上昇圧力も後退しているとの判断の下、6/6の理事会で利下げ開始を判断する公算が大きい。一方、英国ではサービス価格が下げ渋る中、BOEの利下げ開始時期はユーロ圏からやや遅れ、夏場になると見込まれる。

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副主任研究員 岩坂 英美

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