2024.02.27

欧州経済:一部指標に底入れの兆しも低空飛行は当面続く(改定見通し)

昨年10~12月期の実質GDP成長率(前期比)は、ユーロ圏が横ばいにとどまり景気停滞が続き、英国が2期連続のマイナス成長で統計上の景気後退となった。ただし、1~2月分の景気指標の一部で明るさも見られるため、1~3月期の成長率は若干上向く可能性が出ている。インフレ率はユーロ圏、英国とも緩やかな低下傾向にあるが、ユーロ圏では先行きのサービス価格の騰勢鈍化を示唆する材料が出る一方、最低賃金引上げが予定される英国はインフレ率下げ渋りの懸念が残る。そのため、中央銀行の利下げ開始や景気底入れのタイミングは、ユーロ圏で今年央となる一方、英国では夏場にズレ込む見通しである。また、2024年通年の成長率はユーロ圏(0.5%)、英国(0.2%)ともに前年並みとなり、英国が後れを取る状況が続こう。

執筆者紹介