2021.07.27
欧州では、コロナワクチンの接種が進み、行動制限も相次ぎ緩和される中で、景気が持ち直し傾向にあり、今後も回復ペースを強めていくと期待される。しかし、英国、スペイン、フランスなどで「デルタ株」感染者が急増していることは懸念材料。「ワクチン証明書」を活用しつつ、経済正常化とコロナ禍克服を両立できるかどうかが今後の焦点。一方、気候変動対策をめぐっては、欧州委員会が7/14、一連の気候・エネルギー関連法を改定する「Fit for 55」パッケージを公表。「炭素国境調整措置」を創設するほか、温室効果ガス排出量が多いとされる陸運・海運・建築物部門を排出量取引の対象に加えるなどの野心的な内容が示された。もっとも、法案成立に向けては、EU内外の様々なステークホルダーとの調整が欠かせず、今後の紆余曲折が予想される。