2021.10.27
欧州では、夏場のコロナ感染拡大が一旦落ち着きかけたが、10月に入り英国やドイツの新規感染者数が再び増加。今後、周辺国に飛び火する可能性もある。そのもとで、欧州経済はユーロ圏・英国ともに7~9月期の減速後、10~12月期もさほど加速しない懸念が高まっている。すなわち、①人々が再び外出を自重し、サービス消費が頭打ちとなる、②企業の人手確保がままならず、在庫の復元や物流機能の改善が遅れ、インフレ圧力がなお残る、といったリスクに一層の注意が必要になっている。また、冬場を迎えエネルギー価格が一段高となり家計を圧迫する、というコロナ以外のリスクも軽視できない。ドイツでは、SPD(社会民主党)と緑の党、FDP(自由民主党)の3党連立交渉が本格化。政策路線の隔たりが小さくないため、最終合意まで予断を許さないが、年内にもSPDのショルツ氏を首相とした新政権が樹立される可能性が高まってきている。