2021.12.22

欧州情勢:コロナ収束と景気再加速へ3回目ワクチン接種を急ぐ、ドイツでショルツ新政権発足

欧州の新型コロナ感染は、ドイツの急増に歯止めが掛かったが、他の主要国で増勢が強まっている。当面もオミクロン株蔓延により、ドイツも含めてさらなる感染拡大が懸念される。加えて、人手不足やガス価格高騰の中で、在庫不足・物価高の状態が持続。英国中銀は利上げに踏み切った。こうした中、欧州経済は1~3月期にかけて、ユーロ圏・英国ともに成長ペースが鈍化する見込み。しかし、ワクチン義務化・3回目接種などを通じて来春までにコロナ感染が鎮静化すると想定すれば、景気は4~6月期以降、人手不足緩和やインフレ圧力後退を伴って再び上向く可能性が高いと見る。以上のシナリオに対する主なリスク要因は、①コロナ混乱と人手不足の長期化、②欧露関係悪化によるガス調達網拡大の遅れとエネルギー価格の高止まり。この意味で、ドイツでの新規ガスパイプラインの稼働認可問題にショルツ新政権がどう対応するか注目される。

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