2022.02.24
欧州の主要各国は大規模な行動制限を回避しつつ、オミクロン株流行をピークアウトさせた。そして、英国を皮切りに各国が行動制限を緩和・撤廃し、いよいよ「コロナとの共存」に舵を切り始めた。一方、ウクライナ問題をめぐるロシアと西側諸国の緊張が高まる中、ドイツがロシアからの新規パイプライン「ノルドストリーム2」の稼働開始手続を棚上げした。これにより、対露依存度4割とされる欧州のガス需給の不安定な状態が長引き、既に5%台となっているインフレ率が当面高止まりする懸念、ひいてはBOEに続きECBも早期利上げに動く可能性が高まってきた。以上より、「欧州経済は今春以降、コロナショック一巡により再加速」との基本的見解を維持するが、その加速度は(従来見ていたよりも)穏やかになると予想を修正する。改定後の成長率予想は、ユーロ圏2022年3.7%・2023年2.2%、英国2022年3.7%・2023年1.6%である。