2022.02.25

日本経済情報2022年2月号 オミクロンとウクライナで回復ペース鈍化(改定見通し)

2022年に入り急拡大したオミクロン株の流行は2月中旬にピークアウトした模様。ただ、まん延防止等重点措置は31都道府県で3月6日まで延期され、飲食店の時短営業要請などの行動制限が続く。

コロナ感染急拡大を受けて、人の動きは2月にかけて大幅に抑制されており、3月に1月並みへ回復すると見込んでも、1~3月期の個人消費は前期比1%近く減少する見込み。

景気は家計分野を中心に1月に大きく悪化。外出抑制の動きを反映し、飲食、旅行、百貨店、レジャー、コンビニの悪化が目立つ一方で、スーパーは改善、乗用車販売、家電量販店は小幅悪化にとどまる。

輸出も1月は米国向けが幅広く減少、アジア向けは中国を含め横ばいにとどまる。ただ、設備投資は、製造業の機械投資のほか、オフィスビル、工場、倉庫といった建設投資に復調の動き。

オミクロンに続き、ウクライナ情勢が新たな懸念材料として浮上。現時点では資源価格高騰の長期化を通じた影響が中心であるが、今後の制裁の内容次第では、資源価格のさらなる高騰や、欧米経済、金融市場の混乱を通じた影響も。これらを回避できれば、日本経済は4月以降、個人消費を中心に本格回復に向かう見込み。ただ、消費者物価上昇率2%が視野に入るのは2023年度入り後と予想。

執筆者紹介

チーフエコノミスト 武田 淳

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副主任研究員 中浜 萌

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