2022.06.27
欧州では、各国の行動制限解除によるコロナ新規感染者数のリバウンドが限定的な中で、サービス消費が持ち直し始めた。しかし一方で、ロシア・ウクライナ情勢悪化の影響が次第に広がっている。特に、①エネルギーや食料品を中心とした物価上昇、及びそれを受けた消費者マインドの悪化が個人消費(財購入)の回復力を抑制している。そのほか、②各種制裁に伴うロシア向け輸出の減少、③一部産業でのサプライチェーンの混乱、及びロシアによるガス供給の一部停止(追加的な物価高要因)も見られる。さらに、BOEやECBが、想定以上に顕在化した物価上昇圧力に対して急ピッチな利上げも辞さない姿勢を表明している。そのため、4~6月期以降は、ユーロ圏・英国ともに緩慢なペースでの成長が当面続くと見込まれる。