2022.07.29

スタグフレーションに陥りつつある欧州経済

欧州では、コロナショックが後退しているものの、記録的な高インフレが続くもとで、ユーロ圏、英国ともに景気の足踏み状態が続いている。また、今後もロシアからのガス供給が大幅減となる中でエネルギー市場の混乱が長引き、インフレ圧力の長期残存や一段の強まりが懸念される。こうした状況下、ECB(欧州中銀)は 7/21、インフレ率引き下げのために 6 月に示した金融政策方針を早々と撤回し、事前予告を上回る 0.50%Pt の利上げに踏み切り、9 月以降も急ピッチな追加利上げを実施することを示唆した(弊社は、今年末までに合計 1%Pt の追加利上げ、主要リファイナンス金利が 1.5%に達すると予想している)。以上より、欧州経済は景気後退と物価上昇が同時に進む「スタグフレーション」に陥りつつあると判断される。

執筆者紹介

上席主任研究員 石川 誠

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副主任研究員 岩坂 英美

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