2023.04.25

欧州経済:景気後退は回避の見込みも、回復の後ずれリスクに留意

1〜3月期の実質GDP成長率は、ユーロ圏・英国ともにゼロ付近の成長となった公算が大きい。ユーロ圏では、ガス価格の下落などから企業の生産活動がエネルギーを中心に年明け以降、活発化。ただし、物価上昇による消費者の購買力の低下などから、財消費は減少が続く。英国ではストライキによる経済への影響も生じる中、先行きは楽観視できないまでも、21年夏以降続いていた財消費の減少傾向に一旦の歯止めなど、明るい材料もみられる。先行きについて、4〜6月期も景気は停滞の後、年央ごろにはインフレの落ち着きを受けて、個人消費が持ち直し、成長ペースが加速する見通し。ただし、高い賃金上昇率による高インフレの継続や、3月に信用不安が高まった後遺症として、信用収縮につながる可能性などがリスクとして挙げられる。

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