2023.05.30
物価高の影響で個人消費の増加が抑えられる中、主に北米からのインバウンド消費や公共投資が下支えし、1~3月期の成長率はユーロ圏で前期比年率0.3%(10~12月期▲0.2%)、英国で0.5%(同0.5%)とマイナス成長を回避。4月以降は、財消費は低迷するも、旅行などのサービス消費はリベンジ需要が再び盛り上がり、回復の動き。そのため、物価の基調を示すコア・インフレ率は、賃上げも加わってユーロ圏では高水準横ばい圏内で推移(3月5.7%→4月5.6%)、英国では大幅に上昇(6.2%→6.8%)しており、夏頃まで利上げが続く公算が大きい。今後の欧州経済は、(1)金融引き締めの影響が徐々に表れ内需が下押しされること、(2)主要輸出先である米中の成長ペース鈍化により輸出も力強さを欠くことから、停滞する見込み。成長率予想は、ユーロ圏が2023年0.8%、2024年1.1%、英国が2023年0.2%、2024年0.7%と改定する。