2023.08.29

欧州経済:景気は底堅く推移も、足取りは重い(改定見通し)

インフレ率の鈍化や経済再開を受けて個人消費が下げ止まったとみられる中、4~6月期の成長率はユーロ圏で前期比年率1.0%(1~3月期0.0%)、英国で0.8%(同0.6%)と底堅く推移。ただし、域内外の需要の低迷を受けて製造業は不振であり、相対的に底堅く推移してきたサービス業についてもモメンタムは鈍化しつつあるなど、景気の足取りは重い。今後の欧州経済は、①金融引き締めの効果が本格化し、②米中の成長ペース鈍化により輸出も力強さを欠くことから、2024年にかけて、1%台前半とみられる潜在成長率を下回る0%台の低成長が継続する見込み。成長率予想は、ユーロ圏が2023年0.6%、2024年0.8%、2025年1.3%、英国が2023年0.3%、2024年0.3%、2025年1.2%と改定する。

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副主任研究員 岩坂 英美

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