2023.09.27

欧州経済:インフレにピークアウトの兆し

ユーロ圏の4~6月期の成長率は、圏内外の需要が低迷する中で前期比年率0.5%へと改定され、1~3月期(同0.2%)に続く低成長となった。足元でも、企業の景況感は製造業・サービス業ともに悪化が続くなど、景気は低迷している。一方、基調的なインフレ率の鈍化によって利上げの停止が視野に入り、実質可処分所得の持ち直しに支えられる形で個人消費主導の回復期待が高まる。英国でも、利上げ効果の浸透やリベンジ消費の一巡によりコア・インフレ率が単月ながら大幅に低下し、BOEは15会合ぶりの利上げ見送りを決めた。ただし、これまでの大幅な金融引き締めやストライキの影響から需要が強く抑制され、早ければ2023年7~9月期からの景気後退入りを予想する。

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副主任研究員 岩坂 英美

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