7～9月期の実質GDP成長率は大方の予想を上回る前年同期比＋4.9％となった。前期比年率では4～6月期の＋2.0％から＋5.3％へ加速しており、景気はようやく停滞を脱した模様。個人消費が持ち直し、製造業の設備投資が拡大。一方で、インフラ投資は息切れ、不動産開発投資は大幅な落ち込みが続き、不透明感も残した。不動産市場は価格や販売動向を見る限り調整が続いており、期待の個人消費も雇用改善の遅れから回復力に欠く。それでも、今年の「5％前後」の成長率目標達成には、10～12月期に前期比年率1％程度の成長で足りるため、ハードルは高くはないが、政府は実現を確実にするため追加の景気対策を決定。中国経済の実態は経済指標が示すよりも厳しい状況にある可能性。