2024.09.25
4~6月期の実質GDP成長率2次速報値は2四半期ぶりの前期比プラスで1次速報から変わらず。主因は個人消費が前期に大きく落ち込んだ反動だが、景気の持ち直しは確認。7月以降は景気ウォッチャー調査で個人消費関連が改善、帝国データバンクの企業景況調査も改善続く。8月の小売統計でもコンビニや百貨店、家電販売の底堅さを確認。
個人消費の逆風だった物価上昇は、8月に若干加速したが主因の電気ガス代は補助金再開で9月から鈍化が見込まれ、サービス価格の上昇は賃金上昇の転嫁という好循環の産物につき、懸念材料とはならず。賃金の上昇は続き、懸念された中小企業も夏のボーナスは高い伸び。来年度の春闘でも5%近い高い賃上げ率が見込まれ、物価の落ち着きも期待でき、消費者マインドの改善も加わって個人消費の回復が続こう。
設備投資は、機械投資が底堅く推移し増勢を維持。今後は金利上昇が逆風となるが企業業績改善や政府の投資促進策が追い風に。最近の円安修正は人手不足極まる非製造業の業績を押し上げ、設備投資の拡大にも寄与しよう。住宅投資は減少傾向が続く見込み。インバウンド需要は増勢鈍化、財輸出は米中向け中心に軟調推移。今後も当面は外需の回復を期待できず、復調は年明け以降。
日銀は9月19~20日の金融政策決定会合で政策金利を据え置いたが、その理由は金融市場の不安定化であり、利上げを探る姿勢は維持。12月には金融市場の落ち着きを確認し追加利上げに踏み切ると予想。自民党総裁選は経済・金融政策が修正される要素となり得るが、誰が勝利しても当面の景気回復を妨げない。日本経済は安定的な物価上昇の下で一定の金利がある正常な状態に向けて回復を続けよう。