2023.12.25

欧州経済:24年は後半に緩慢な回復が期待も、通年で低成長に留まる(改定見通し)

ユーロ圏、英国ともに金融引き締めにより内需は低迷、輸出も外需の減速を受け減少し、景気は停滞している。インフレはピークアウトも、ECBとBOEはサービス価格や賃金の伸びが高いことへの警戒を緩めず、12月に政策金利の据え置きを継続したうえで、金融市場で広がる利下げ観測を牽制した。2024年の欧州経済は、①インフレ率の低下や賃上げを受けた実質可処分所得の持ち直しが個人消費の低迷に歯止めをかける一方、②金融引き締めによる住宅投資や設備投資の低迷が続き、③米中の成長ペース鈍化により輸出も力強さを欠くことから、通年の成長率で1%台前半とみられる潜在成長率を下回る低成長にとどまる見込みである(ユーロ圏+0.5%、英国+0.3%)。

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副主任研究員 岩坂 英美

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