2024.08.05
7月雇用統計では、前月差+11.4万人の雇用増(非農業部門全体)と6月の+17.9万人から大幅に伸びが鈍化、失業率は6月の4.1%から7月は4.3%まで上昇して雇用情勢は悪化した。また、民間企業の賃金上昇率(時給の前年比)が+3.6%(6月+3.8%)まで鈍化したことは、インフレ沈静化への追い風だが、同時に可処分所得の伸び鈍化を通じて、個人消費が急減速することが懸念される。企業の人手不足はおおむね解消しており、今後も雇用者数の増加ペースは鈍化し、失業率が上昇を続けることが見込まれる。雇用情勢の悪化方向への転換が強く示唆されたことで、FRBは利下げペースを速めるなど柔軟に政策対応をすることとなろう。利下げ余地は十分にあり、企業の資金調達の金利低下や住宅ローン金利の低下、株価上昇など金融環境が緩和することで、景気は下支えされることが見込まれる。