2026.05.20
米国ではエネルギー高を背景にインフレ圧力が強まっている。4月の消費者物価指数をみると、エネルギー高の影響はガソリン価格などが中心で2次的な波及は限定的にとどまっているが、企業のマインド調査では将来の消費者物価に波及し得る「仕入れ価格」が急激に上昇している。米国経済の屋台骨である個人消費は、トランプ減税の押し上げ効果がインフレによる実質所得の目減りで相殺され、増勢の弱い状況が続いている。一方で、AI関連を中心とする設備投資は堅調である。米国経済は全体として底堅さを維持しており、労働市場の悪化懸念も和らいでいる。こうした状況下で、FRBはインフレへの警戒姿勢を一段と強めており、FOMCメンバーからは利下げ継続を示唆するメッセージの修正を求める声も出ている。先行きは、原油価格が下落に向かう前提に立っても、夏ごろにかけてはインフレ加速が景気を下押しする状態が続くと予想する。景気が再び勢いを取り戻すには、インフレがピークアウトし、金利低下によって内需の重石が外れることが条件となろう。