2026.04.23

米国経済:原油高が消費の重石に、企業間で高まるインフレ圧力

米国経済は国内需要の増勢鈍化が続いている。3月の小売売上高は前月比+1.7%と大幅に増加したが、ガソリン価格高騰の影響を除いた実勢は力強さを欠く。住宅市場も住宅ローン金利の再上昇を受けて需要が低迷しており、堅調なAI需要に支えられた設備投資も景気全体をけん引するには至っていない。物価面では、4月に入り原油価格が下落に転じたものの、輸送・原材料コスト上昇の価格転嫁はこれから本格化することが見込まれ、企業間では早くもインフレ圧力が強まる兆しがある。こうしたインフレ再燃への警戒感から、FRBは少なくとも夏ごろまでは政策金利を据え置く公算が大きい。先行きについては、原油価格の緩やかな下落を前提としても、年央にかけて景気の増勢は弱い状態が続くと予想する。トランプ減税による所得増や原油価格のピークアウト、株価の持ち直しが下支えとなる一方、インフレの広がりと金利の高止まりが内需の重石となると見込む。景気の増勢が再び強まるのは、利下げ再開が視野に入る夏以降になると予想する。

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上席主任研究員 髙橋 尚太郎

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