2026.08.21
7月の小売売上高は、オンライン販売の前倒し需要の剥落による押し下げ効果を除けば、底堅さを維持した。企業の景況感も総じて良好であり、7月時点では、金利の高止まりやエネルギー高に伴うインフレ圧力が、景気に大きな悪影響を与えている状況はうかがえない。物価面をみると、7月の消費者物価指数ではエネルギー高の価格転嫁の動きが依然として目立たず、幅広い財・サービスの価格鈍化が優勢であった。雇用情勢は、労働需給が均衡する中で、賃金上昇率がサービス業を中心に鈍化基調にある。コロナ禍前の賃金上昇率を下回る業種も増えており、賃金インフレ再燃の兆しはない。先行きについて、年後半は長期金利の高止まりが投資需要を下押しし、実質GDP成長率は+2%程度で一進一退の推移となることが見込まれる。景気の下振れリスクとしては、①原油高の再燃、②AIブームを受けたIT関連財の供給制約に伴う価格上昇、③原材料コストの価格転嫁の加速が挙げられる。こうしたインフレ圧力が強まれば、金利水準の一段の切り上がりを伴って、内需への下押し圧力が強まるだろう。2027年以降は、AI投資需要の急速な伸びが落ち着く一方で、インフレ鈍化を受けて個人消費が持ち直すため、経済全体としては+2%程度の成長を維持すると予想する。