2026.09.25
2026年度の最低賃金は全国加重平均で前年比+5.0%と、高水準の引き上げ率が継続している。近年の最低賃金の大幅な上昇により、最低賃金近傍で働く労働者が増加していることをうけ、本稿では、最低賃金の引き上げが賃金全体に及ぼす影響が拡大している可能性を検証した。
その結果、2000年代から2010年代前半にかけては最低賃金引き上げの影響は確認されなかった一方、2010年代後半以降はパートタイム労働者の賃金を有意に押し上げる効果がみられた。近年では最低賃金上昇率と同程度の賃金上昇をもたらしている可能性がある。また、影響の大きさはパートタイム労働者の半分程度にとどまるものの、フルタイム労働者にも賃金押上げ効果が及んでいることが確認された。最低賃金引き上げの影響が賃金全体に広がるなか、就業調整による労働供給の減少を防ぐ観点から、税制・社会保険制度における「年収の壁」の継続的な見直しが不可欠と言えよう。