2019.07.31
6月調査の日銀短観は、非製造業と製造業で景況感が明暗分かれた。製造業の景況感悪化は先行き懸念や輸出の落ち込みが背景。ただ、輸出は中国向けを中心に下げ止まりつつあり、今後は持ち直しも期待そうである。非製造業は大企業でむしろ改善し好調持続。
ただ、企業の投資意欲は専ら製造業で慎重化しており、当面は設備投資に力強い拡大は期待できない。そうした中で、個人消費は天候不良もあり冴えないが、今後は駆け込み需要が押し上げ要因となろう。
こうした足元の情勢を踏まえると、4~6月期の実質GDP成長率はプラス成長を維持したものの、1~3月期からは減速したとみられる。
消費増税後の景気は、個人消費の落ち込みにより一旦停滞するものの、駆け込み需要が小さいため反動も限定的であり、輸出の拡大や東京五輪関連需要に下支えされ、緩やかながらも拡大基調を維持しよう。