2026.06.29

中東情勢改善でも低下しないインフレリスク~改定見通し-日本経済情報2026年6月号

1~3月期GDP2次速報でも日本経済の堅調な姿を確認。「街角景気」は3月以降の悪化から5月に持ち直すなど、政府の物価高対策の効果もあり景気は拡大基調を維持している模様。

今後の景気を左右する中東情勢の行方は、米国とイランの協議の行方次第であるが、ホルムズ海峡の正常化に至れば、原油価格の一段の下落が期待される。さらに、高市政権は2027年度から2年間、食料品に限定して消費税率を1%へ引き下げる方針。消費者物価の上昇は鈍化し実質所得が増加、個人消費は堅調拡大に向かう見込み。

中東情勢悪化による原油や石油製品の供給減は代替調達によって補われつつあり、企業活動への影響は限定的。そのため、設備投資は機械投資を中心に拡大基調を維持。政府は「日本成長戦略」を策定、戦略17分野において2040年度までに370兆円の官民投資を積み上げる目標を打ち出したが、示された試算には非現実的な部分もあり、期待通りの効果が得られるかは疑問が残るが、政策面での支援が企業の投資を後押しすることは間違いなく、設備投資の堅調拡大が続こう。

輸出はAIブームと海外景気の復調を背景に、今年度後半以降、回復に向かう見込み。以上の需要動向を踏まえると、実質GDP成長率は中東情勢の影響で2026年度こそ前年比+0.6%へ減速するも、2027年度は消費税減税による個人消費の底上げもあり+1.0%へ伸びを高めよう。ただ、供給力の伸び(潜在成長率)は設備投資の持続的な拡大があっても需要の拡大ペースに追い付かず、需給逼迫によるインフレ加速が次の日本経済のリスクとなろう。

執筆者紹介

チーフエコノミスト 武田 淳

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主席研究員 武内 浩二

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副主任研究員 高野 蒼太

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副主任研究員 北辻 宗幹

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