2020.05.27

日本経済情報2020年5月号 改定経済見通し~経済正常化に向けて方向転換

政府は緊急事態宣言を全国レベルで解除し、日本経済はコロナ抑制一辺倒による縮小局面から、行動制限を段階的に緩和し正常化を目指す方向に転換した。

ただ、日本経済の現状は、1~3月期にサービス輸出や個人消費の減少などから2四半期連続となるマイナス成長を記録、4月以降は海外景気の悪化に伴う輸出の減少加速や、休業要請を受けたサービス分野を中心とする個人消費の低迷により一段と落ち込んでいる。

しかしながら、今後は行動制限の緩和に伴い、景気は個人消費の復調を牽引役として徐々に回復に向かう。ただ、感染再拡大への警戒感が残り個人消費の回復を阻害すること、欧米を中心に海外景気すなわち輸出の回復には時間がかかることから、日本経済の拡大ペースは制限され、2020年度の成長率は3%を超えるマイナスとなる見通し。2021年度は東京五輪効果もあり景気は一旦回復へ。

執筆者紹介

チーフエコノミスト 武田 淳

執筆者紹介ページを表示