2020.07.31

日本経済情報2020年7月号 改定見通し~感染第2波により回復に遅れ

新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて、政府は景気刺激策の一部縮小を余儀なくされ、消費者のマインド悪化も懸念される状況となり、持ち直しが期待された日本経済の先行きに再び不透明感が強まっている。

実際の景気は、6月にかけて財の輸出に下げ止まりの兆しが見られ、個人消費は物販・サービスとも持ち直しの動きが続くなど、底入れの動きが広がりつつある。そのため、8月中旬に発表される4~6月期のGDP成長率は前期比年率▲24.0%という大幅マイナスが見込まれるが、7~9月期にはプラス成長に転じる見通し。

ただ、先行指標が設備投資や住宅投資の減少継続を示していることに加え、コロナ感染再拡大により個人消費の回復は抑制されるため、これまでみていたより景気の回復は遅れ、2020年度の成長率は5%を超える大幅マイナスを予想。2021年度の景気は、東京五輪が開催されるかどうかが左右することとなろう。

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チーフエコノミスト 武田 淳

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