2020.12.25

日本経済情報2020年12月号 2020年の回顧と2021年の展望(改定経済見通し)

2020年の日本経済は、米中摩擦の一時停戦を受け、消費増税による落ち込みからの回復待ちという状況でスタートしたが、コロナ・ショックに見舞われ年前半は大きく落ち込んだ。年後半は11月半ばまで輸出や個人消費が主導する持ち直し傾向にあったが、設備投資や住宅投資の減少が続いた分だけ回復力は欧米に比べ見劣りした。

2021年は、コロナ感染第3波の影響により停滞からのスタートを余儀なくされる。その後もコロナ次第ではあるが、東京五輪が予定通り開催できる状況となれば、関連需要やマインド改善といった五輪効果に政府の景気対策による後押しも加わり、個人消費は再び回復に向かうとみられる。一旦伸び悩みが見込まれる輸出も、欧米景気の復調を背景に再拡大に転じよう。こうした内外需の回復を受けて、設備投資も深い調整から脱し持ち直すことが期待される。そのため、日本経済は春以降、再び回復に向かうと予想される。

東京五輪後は景気の一時停滞が見込まれるが、世界的にコロナ感染が収束に向かう中でインバウンド需要が下支えし、回復基調を維持する見通し。

執筆者紹介

チーフエコノミスト 武田 淳

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