2021.03.19

世界経済見通しアップデート:感染再拡大でブレーキもリスク要因の顕在化は限定的、年後半にかけて回復の見通しは変わらず

2020年の世界経済は、コロナ・ショックからの持ち直しが予想以上に速く、成長率のマイナス幅は12月時点の予想に比べ小幅にとどまった。2021年は、2020年終盤からのコロナ感染第3波により欧州や日本を中心に出足が予想よりも悪いものの、米国経済の好調さが勝り、成長率見通しを上方修正する。2021年の世界経済は、ワクチンの普及が後押しし年後半に回復が広がると予想する。経済水準がコロナ前を回復する時期は、米国やASEAN主要国で2021年中、欧州や日本は2022年となろう。前回挙げた9つの懸念材料のうち、コロナ・ワクチンの有効性や株式バブルは今のところリスクは限定的、米中摩擦や中国の過剰債務問題は今後の動きに要注意、東京五輪縮小や新興国リスクは一部で顕在化しつつあるが、経済見通しを大きく修正するまでには至っていない。

執筆者紹介

チーフエコノミスト 武田 淳

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上席主任研究員 髙橋 尚太郎

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