2021.11.24
10月の経済指標は中国経済の減速に歯止めが掛かりつつあることを示した。マインド指標は悪化が続いたものの実体経済を示す指標は幅広く改善した。今後も新型コロナ感染への警戒が続き個人消費は抑制気味で推移する見込みであるが、政府は不動産業界への資金供給制限を緩めており、電力不足への対応策も打ち出したことから、景気は徐々に持ち直そう。2021年の成長率は前年比+8.0%(2年前比平均+5.1%)、2022年は+5.5%と、新たな巡航速度となるであろう5%程度の成長へのソフトランディングを探る見通し。六中全会で採択された「歴史決議」では中国版マルクス主義を目指すことが再確認され、民間企業は制限強化と分配拡大要請に留意。