2022.10.27

米国経済:金融環境が一段と引き締まり内需を抑制

9月FOMC以降、金融引き締め策が長期化するとの観測から長期金利の上昇が続き、株価下落やローン金利の上昇など金融環境は一段と引き締まった。こうしたもと、2022年末にかけて、住宅市場はさらに悪化し、夏場に底堅く推移した個人消費や設備投資も、再び減速に向かうとみられる。物価は、サービス分野における賃金上昇分の価格転嫁の動きが根強く、上昇率の低下がはっきりするのは、景気が停滞色を強める2023年前半となる見込みである。先行きのリスクは、FRBの急速な利上げに伴う、景気のオーバーキルの可能性である。雇用関連を中心に、一つ一つの経済指標に注意を払う神経質な状況が続くこととなるだろう。

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上席主任研究員 髙橋 尚太郎

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