2022.12.20

米国経済:インフレ抑制のための景気・雇用の悪化が進む(改定見通し)

コアCPI上昇率が2か月連続で鈍化し、インフレピークアウトの可能性が高まるが、FRBは高インフレ定着への警戒感を緩めず、2023年も追加利上げを実施し、インフレ抑制がはっきりするまでは金融引き締めを維持する姿勢を保つ。雇用情勢が次第に悪化することで、個人消費は減速し、さらなる企業の労働需要の減少につながるだろう。2023年内は米国経済の実力である1.8%を大幅に下回る成長率が続くとみられる。そうした中、2023年前半には賃金上昇圧力が和らぐことでサービス価格の上昇率はピークアウトし、2023年央にはPCEデフレーターの前年比が+3%台前半まで低下する見通し。2023年冬頃には、FRBは景気下支えのために利下げに踏み切り、潤沢な家計貯蓄もバッファーとなって、景気の腰折れは避けられると予想する。

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上席主任研究員 髙橋 尚太郎

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