2023.02.22

米国経済:底堅い景気がインフレ抑制の障壁に(改定見通し)

2023年入り後、個人消費が昨年末にかけての落ち込みから回復し、サービス業のマインドも大幅に改善、堅調な雇用情勢が維持されるなど、景気は想定以上に底堅い状況が続いている。インフレ率は低下基調を維持しつつも、堅調な個人消費を背景に低下ペース鈍化の動きもあり、根強いインフレ圧力が窺える。こうした状況を受けて、依然底堅い景気を抑制するため、金融引き締め策は一段と強められる方向にある。先行きは、サービス消費を中心としたリベンジ需要が一巡するもとで、個人消費は減速に転じ、年央にかけて景気は停滞すると見込む。そうした中、個人消費を支えてきた家計貯蓄やクレジットカードなどの利用余地が狭まり、これまでの利上げの影響も強まることで、景気失速のリスクが高まっていることには注意が必要だろう。

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上席主任研究員 髙橋 尚太郎

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